住まいの規模をピークに合わせない~マドリヤ的ローコスト手法~

投稿日:2021年07月12日

今回は「住まいの適正な大きさはどれぐらいなのか?」というお話です。

 

マドリヤへご相談へ来られる方、例えば4人家族の場合ですが、初回のお話しの中で坪数の話になると「30坪」と言われる場合があります。
そうすると私は「数字としての面積が重要ですか?それとも必要な機能が満たせれば小さくしても構いませんか?」とお尋ねします。
なぜなら、ご夫婦の寝室、子供部屋、ワークスペース、収納関係の空間も含めた通常の4人家族向けの提案でもマドリヤでプランするとこの大きさにはならない可能性が高いからです。

まれに、他社さんの提案プランについてコメントが欲しいといわれて見せていただくことがあるのですが、私たちとの違いが大きく分けて3つあるな、といつも思っています。

1、廊下が長い
2、収納が巨大
3、子供部屋が巨大

です。

「1、廊下が長い」はそのまま動線の長さ=不便さにつながる要素なので短ければ短いほうがいいとマドリヤでは考えています。
例えばソファを置く1畳と、廊下の1畳の工事費はほとんど同じですよね。坪単価60万円とすると、1畳では30万円です。そう考えてしまうと、そのお金についてはただの移動空間ではなく他の使い道で提案したいな、と思っています。

「2、収納が巨大」については、正直なところご家族によって必要な大きさは変わってきますが、それにしても大きい場合が多いです。しまうものが決まっていて、具体的に必要な面積が確定していれば問題ないのですが、「今後、物や服が増えるかもしれないから」というような理由の場合もあります。例えば洋服について、マドリヤでの打合せでは「洋服というものの存在が生きがいや趣味に該当するかどうか」を見極めてご提案しています。ただ単に「捨てられなくて溜まっている服」が収納から溢れるような状況であれば優先順位をつけて捨ててください、とお話しています。なんとなくの収納ではなく、生活の中で活用できる面積を増やせるといいなと思っています。

「3、子供部屋が巨大」についてですが、どれぐらいの面積の部屋をみて「巨大」と思うかというと、「収納付きの(収納含まず)6畳」です。マドリヤでご提案する子供部屋はお子様2人の場合、「4.5+4.5」「3.75+3.75」「3.0+3.0」の大中小3パターンです。正直なところ、子供部屋は中ぐらいの「3.75+3.75」で十分なんじゃないかと思います。ファミリークローゼットが家の中にがあれば、机、ベッド、本棚がちゃんと置けます。子供が成長に伴って個室を必要とする時期は小学校高学年から、長くても大学卒業までの12年ぐらい(子供はずっと家にいてほしい、というお客様には出会ったことがありません)。マドリヤは30代で建てた家は80歳になっても手入れしつつ住めるようにしなきゃいかんと思っていますので、50年は住むうちの25%しか子供部屋は必要ないわけです。その面積のためにコストをかけるなら、夫婦二人になったときにこそ効果を発揮(ヒートショック防止や光熱費の削減)するような、例えば断熱材を厚くしませんか、とかサッシをアップグレードしませんか、という議論がしたいのです。

というようなお話をプランのお打合せではさせていただいています。ご家族の人数、仕舞う物の量のピークに合わせるのであれば、自ずと家は大きくなっていき、ご予算が一定なのであれば坪単価(もしくはひと坪あたりの価値と言ってしまっていいかもしれません)が、低下していき、「ただの大きい箱」を作ることになってしまいます。それは私たちがご提案したい家とはちょっと違います。

子供が巣立ったあと、3.75畳の書斎が二つ、夫婦それぞれのために残るような家づくりがちょうどいいのかな、と思います。

おちあい

マドリヤはなぜ予算に収まる提案ができるか

投稿日:2021年04月19日

ここのところ、新規のご相談を受けている中で、

「マドリヤさんはローコストとのことですが、なぜこの性能を実現できるのですか?」と何度か質問をいただきました。

一言で表現できる話ではないですが、とても重要なのでまとめてみたいと思います。

目次です。

・マドリヤは低坪単価ビルダーではない。

・規模をピークに合わせない。

・メリハリの法則。

・縦横比の法則と、対比の法則。

・意味のない窓を設けない。

・無理のない構造計画。

・外部の要素を取り入れる。

書き出してみるとなんだかいっぱいありますね。

全部書くと1ヶ月はかかりそうなので小出しにしていきます。

今回は「マドリヤは低坪単価ビルダーではない」です。

マドリヤではご予算をお伺いし、その中でご提案を考えさせていただきます。

例外的に、この場所でこのご要望で建てるならこのご予算は最低必要です、という意味でオーバーしたものをお作りすることもありますが、あくまで私たちの使命は予算内です。

一方で、最低限このレベルはおさえておきたいという仕様や性能の基準もあります。

性能の最低基準を値で言うと、UA値で0.5、c値で1.0、耐震等級は3(性能表示計算)です。

例えば、建売でよく見かける仕様やディテールはマドリヤではタブーです。若い頃、戸建てデベロッパーに勤めていた時ににイヤイヤながらたくさんそういう家を作ってきたので、もう2度とそういうことはしたくないという思いで今、マドリヤをやっています。

ではどのようにしてご予算に納めているかというと、単純に「小さくても大丈夫なように提案している」です。初回のご相談の際もよく申し上げるのですが、30坪とご要望いただいた場合は27坪程度に抑えてプランを作成します。

それでもマドリヤを選んでいただけるのには理由がありますが、そのあたりは後日。

とにかく、総予算が少なくても質の低い家を作らないために、私たちは小さく家を提案します。床面積は小さく、総予算はご予算通り。なので、坪単価は高いということになります。狭小住宅ですと、ご要望の実現度合いにもよりますが稀に坪100万円を超える場合もあります。

安価だけど質感のいい素材のヒキダシも豊富

なので、「とにかく他より安く、他より大きい家が欲しい」という方には向かない設計事務所です。そういう家をよい品質で作る方法を私たちは知りません。ごめんなさい。

では、マドリヤでよく取り組んでいる予算感がどれぐらいかというと、

総予算1800万円〜2400万円

延床面積24坪〜27坪

という事例が多いです。

坪単価になおすと、67万円〜100万円という感じですね。

設計費から外構費から付帯工事などコミコミの金額です。

もっと安くも作れますが、もっと小さくなります。

具体的にはぜひご予約の上、スタジオまでお越しいただければ詳しくお話しいたします。

マドリヤ代表落合

「奇抜なデザイン」を期待される場合について

投稿日:2020年09月26日

落合です。
昨日、土地購入前のプラン提案を見ていただいた方との議論で気づきがありました。
いつものようにご提示いただいたご予算に収めて組み立てたプランを提示し、ご説明しましたが、想像されていたものと違っていたようです。
私たちになりに優先順位を組み立てて作る最初のプランは、多かれ少なかれイメージとのズレがあるのですが、いままでに接したことのないぐらいのネガティブな反応をいただいたと思います。
お話を伺うと、もっと思い切ったデザイン(飛び道具のような)を期待していた、という旨のご感想をいただきました。
ご期待いただいていた方向性を最初のご相談の際に汲み取れなかったことは反省しなければなりません。
ただ、最初にそういったデザインをご要望いただいていたとしても期待に添えたかは疑問です。


マドリヤ社内では常に、・将来にわたって意味があるか(長持ちするか)・生活に立脚しているか・周辺環境を含めた社会に対してよい影響があるか・状況から要求される問題に対する論理的な回答か・コストパフォーマンスが出ているか・マドリヤらしいかを自問自答します。
奇抜さを入り口にしたデザインは上記のポイントを満たしません。
マドリヤにも客観的に見て個性的な設計事例はありますが、それは個性を目指して作られたものではありません。上記の自問自答の結果、この場所にこのお客様が住むための最善策はこれ、と(お客様と二人三脚で)辿り着いたデザインが、たまたま個性的に見えた、というのが正しいです。
私の家も妻(建築士)と一緒に考えたデザインですが、「この土地だったらこれが普通だね」「こんなんでいいね」と決めたプランや外観なのですが、第三者に内覧していただくと「面白い家ですね」と言われます。

最近完成したM様の住まい。普通だけど、日当たりよく、つかいやすく、ひろびろ。


その土地、その人にとっての普通を作るのが私たちの最優先事項です。「昔からここに建っていて、ここに住んでいたような気がする」というのが理想形ですね。
設計事務所らしくない、と言われればその通りかもしれませんが、それが「マドリヤ(間取り屋)」です。
落合

土地を決めることの難しさ

投稿日:2020年02月27日

落合です。

ここ最近、土地購入のお客様の相談に乗ることが多く、考えさせれることがたくさんありました。自分が土地を購入したときはどうだったかな?と回想したりしながら、率直に意見を言わせていただき、購入を決断された方もあれば、見送られた方もおられました。

太陽軌道を把握して日当たりを検討します

私は土地購入からの家づくり経験者ですし、新卒で入った会社でも土地取引に接する機会が多い職場でしたので、経験から土地検討についてのアドバイスをスタッフに対して行うことがあります。よくするアドバイスをいくつか挙げてみたいと思います。

①土地は「買う」のではない「買わせてもらう」のだ。

※申し訳ありません、少しキツい言い方の文章がはじまります。

もちろん、「不動産業者や地主を敬え」という意味ではないです。土地はその場所、その形と大きさで一つしかないので、お店の棚に並んだ商品を買うのとは別の購買行動であると考えるとうまくいきます。

また、良い土地がないかと情報収集している検討者(つまり競争相手)はたくさんいます。「これはいい土地だ」と思ったときにはだれかが同時にそう思っていると考えるのが妥当です。

さらに、ちょうどいい大きさ、予算内の金額、土地勘のある立地で、希望の家が建つ、となると選択肢自体が少ないです。

もはや「ご縁」と形容してもいいようなレベルの出会いです。

なので、「条件はいいけどちょっと気が乗らない」といった感じで選択肢から外していってしまうとなかなか買えません。

「買わなかった土地」が基準になり、それよりもよい土地でないと選択肢にすら上がらなくなってきてしまいます。

こうなってしまうと、「なかなかよい土地がない」と能動的に買わない判断をしているのではなく、「売れ残り」の逆、「買えず残り」になってしまっていると捉えることをおすすめする場合も出てきます。

そうすれば、「短所はあるけど建物の設計で解消できるかも」と前向きに土地検討を再スタートできるかもしれません。

とはいえ、一生に一度の土地購入。慎重になるお気持ちもわかります。できるだけ客観的な情報をお伝えしながら、少し背中を押すことができればいいなと思います。


アドバイス②以降は後日。

おちあい

「ローコスト」を掲げる意味〜アンチ坪単価〜

投稿日:2020年01月13日

代表落合です。

マドリヤでは「設計士とつくるローコスト住宅」を掲げています。

我々が言う「ローコスト」とは、単純に「家づくりに対しての支払いが少なければ少ないほどいい」という意味ではありません。私たちの提案する家は、決して低い坪単価ではありません。狭小住宅の場合は坪100万円を超える事例もあります。

なので、ただ単に安いだけ、安ければ安い方がいい、同じ価格なら広いほうがいい、というような基準で家づくりを進めたい場合はご期待に添えないかもしれません。

安価な素材は買う時は安価ですが、結局は短い期間で取り替えが必要になってしまうことが多いです。

写真は、以前住まいを設計させていただいたレザー職人さんに要望を伝えて作っていただいた本革のお財布です。いつもはお尻のポケットに入れていますが、座る時は必ず取り出すようにして(気休めかもしれませんが)劣化に気を使っています。正直、人生で一番高価なお財布なので。

ただ、もうお財布はこれ以外に買う必要がないな、とも感じています。

点検に伺った際にメンテナンスしてもらえますし、もうすぐ6年経過しますが、全然損傷しません。色は変化していますが、時間が刻まれていくようで愛着が湧いています。

マドリヤは言われたご予算で提案する、という文化があります。(そうじゃない会社がいっぱいある、というのは他業種の方に笑われてしまう点でもあるのですが)

メンテナンスすれば長持ちする素材と恥ずかしくないデザインで、このご予算で作るには坪数はこれぐらいになります、という提案の仕方です。他社さんより小さい坪数での提案になる場合もすくなくありません。

坪単価は高いですが、予算には収めます。そのかわり恥ずかしい家にはさせません。小さいけれど狭くは感じさせません。それがマドリヤのローコストです。

そうか、「坪単価」で考えると割高だけど、長い目で見るとリーズナブルなものを選び取っていただいたのがこのホームページに載っている事例のお客様たちということになりますね。その決定のお手伝いができたことを心から誇りに思います。

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